桜咲く4月、今年もたくさんの子ども達がママの手を初めて離れ、幼稚園に入園しましたね。
毎日、園服に着替えようとしては泣き、幼稚園が近づけば泣き、幼稚園の玄関では行かないと言って大泣き大暴れなんて子もいるのではないでしょうか。
今日は、元幼稚園教諭として、たくさんの子の入園を見てきて、泣く子と泣かない子の差や、泣く子にはどのような対応をしているのかなどについてお話していきたいと思います。
心理学の専門家ではありませんので、『ふーん』くらいの気持ちで読んでいただけたら嬉しいです。
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幼稚園泣く子と泣かない子の差は?
そもそもなぜ泣くのか?
子どもは生まれてすぐはママだけに特別な愛着を持っているわけではありません。
後追いや、ママじゃないと泣く…といった行為は、生まれてすぐにはありませんでしたよね。
ママへのこだわりは、生まれてから今まで、ママがたくさんお世話してくれたことによって、ママとの愛着関係が築き上げられているからこそ起こることなのです。
はいはいや歩行が可能になってくると、ママを安心の基地として、ママを中心にその周囲の探索を始めます。
気になるものにあふれているので、少しずつその距離は伸びていきます。
ママからの距離を伸ばすことにチャレンジすることで、少し離れてもママはちゃんといてくれる。
安心なんだ。と学んでいきます。
今までの経験で、ママから10m離れたところまでだったら安心して過ごせる状態だった子が、幼稚園に行き初めてママが見えない空間で過ごすことになったらどうでしょう?
当然、安心の基地が突然なくなってしまい、寂しくて不安で泣いてしまうのです。
どうやって泣き止んでいくのか?
幼稚園に行き始めて数日は、慣らし保育として、登園している時間が短いですよね。
これは、離れて過ごしていても、必ずママに会えるんだよ、ということを学習する期間です。
ママが見えないところで過ごしていても、ある一定の時間が経てば、またママに会えるということを経験し、理解することで、安心して過ごせるようになっていきます。
年少児の場合は月齢によって、かなり理解できることに差があります。
4月生まれの子は、最初は泣いていても、泣き止むのが早い傾向にあるのは、こうしたことを3月生まれの子よりは早く理解できるようになるからではないかと思っています。
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泣く子の対応先生はどうしてる?
愛着関係を構築
これと同時に先生が進めていることがあります。
それは子どもと先生の間に愛着関係を構築することです。
ママには絶対かなわないのですが、幼稚園にいる間は安心の基地に先生がなることで、先生がいれば大丈夫。と思ってもらえるよう、あらゆる努力をします。
やってはいけないこと、やらなくてはいけないことなどのしつけ系は全て後回しにして、最初はひたすら子ども達ひとりひとりと向き合います。
優しく声をかけ、一緒に遊び、困ったときに手助けをすることで、幼稚園にいる間のママ的存在を目指します。
泣きが長引く子の心の中
このように過ごしていると約一か月で徐々に、みんな泣かずに過ごせるようになっていきます。
しかし、中には数か月、あるいはもっと長い間、泣いてしまう子もいます。
その子の心の中はどのような状態なのでしょう?
今回はお友達と喧嘩したとか、給食が嫌とか、明確に嫌なものがある場合は除きます。
長い間泣いてしまう子は、泣く事で自分の主張が通る、泣くとママがこちらを見てくれる…と思っている場合が多いです。
何人かの長い間泣いてしまう子のママに共通していたのが、『子どもが泣くと要求を聞いてあげる』という事でした。
もちろん、寂しい時、悲しい時に、その気持ちに寄り添い、背をさすり、暖かい言葉をかけてあげるのは良いのです。
よくないのは、いったん「だめ」と言ったのに、泣いたから「いいよ」に変えてしまうというパターン。
いったん「だめ」と言ったなら、最後まで貫いてほしいのです。
「だめ」と言ったのに、泣いたら「いいよ」に変えてしまったら、子どもは泣けば、要求が通る、もしくはママの「だめ」は絶対ではないということを学んでしまいます。
いつか「いいよ」に変えてしまうのであれば、最初から「いいよ」の方が良いです。
「だめ」と言う時には、本当にだめなのか?考えてから伝えてあげてほしいのです。
「だめ」が泣いたら「いいよ」に変わることを、生まれてから幼稚園入園までずっと経験してきた子どもが、幼稚園に行くのも、泣けば行かなくて済むのでは…と考えてしまうのでは当然ですよね。
そして泣いたことによって、行かなくて済む日があったら、もう子どもの中で、幼稚園は泣いたら行かなくてよい場所になってしまいます。
一旦学習されたことを覆すのは、新しく学ぶよりもとても大変で、長い時間と多大な労力を必要とします。
公衆の面前であったり、自分の体力の限界であったり、「いいよ」と言ってしまいたい場面はたくさんありますよね。
でも少し踏ん張ってみてください。
そして、「だめ」と言う前に本当に「だめ」なのか考えてみてください。
幼児期はスポンジのように多くのことを学習しています。
ぜひ、子どもにどちらを学ばせたいか考えて接してみてくださいね。
まとめ
幼稚園泣く子と泣かない子の差についてお話してきましたが、これはあくまでも私が見てきた経験によって、感じたものです。
子どももママも一人一人違いますし、様々な背景がある中で、これが全てではありません。
ただ絶対に言えることは、子どもはいつかは泣かずに登園できるようになる!ということ。
幼稚園行かない!と大泣きしていた子が、おうち帰らない!と、ママを困らせているシーンをたくさん見てきました。
お友達と遊ぶのって、子どもにとって、本当に楽しい、かけがえのない時間なのです。
子どもに行きたくないと泣かれると、ママも心が痛みますよね。
でも、幼稚園は絶対楽しい!と強い心をもって、ぜひ明るく送り出してあげてください。ママの明るい気持ちが、子どもを笑顔にしてくれます。
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